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いまさら聞けないオーガニック(有機栽培)のあれこれ

近頃、「オーガニック」、あるいは「有機」と記載された商品は自然食品にしかなかったと思いますが、スーパーでも見かけるようになってきました。
ご存じの方は今更とお思いでしょうが、私は漠然としか理解してませんでした。
いつもではないけど、たまになんとなくオーガニックの商品があれば買って「何か良いものを買った気分」になったりもしていました。
私の素朴な疑問は、「有機栽培農家が少ないのに、商品はいっぱいあるのはなぜだろう?」です。
「有機」「オーガニック」と勝手に表示して、農水省から処分されていたケースが一年で100件あったという事実を知って驚いたわけです。

「有機」と表示するには農薬や化学肥料の使用について様々な条件を満たし、認定機関の認定を受けなければいけないのですが、それをしないで勝手に有機といって販売してしまうのです。

オーガニック 有機栽培

有機栽培(オーガニック)を選ぶ理由

オーガニックを選ぶ理由はなんだろう?
素朴な疑問から始まってちょっと調べてみると、だいたいこのへんが多いようです。

有機栽培(オーガニック)を選ぶ理由は人によって違うと思いますが、以下のものが代表的な理由でしょう。

  • 美味しいから
  • 健康に良いから
  • 自然環境を大切にしてエコだから
  • 良く知らないけど良いものの気がするから

一番最後の「良く知らないけど良いものの気がするから」という人は私を含め案外多かったりするかもしれません。
そこでこれを機にいろいろ勉強してみることにしました。

有機栽培(オーガニック)とは

有機栽培(オーガニック)とは

有機栽培=オーガニックで、2つの言葉は両方ともよく使わていますが、両者まったく同じものです。

現在多くの農業が化学肥料や農薬を使用する栽培に対して、有機栽培(オーガニック)は農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした栽培および加工方法をさします。
昔ながらの農薬に頼らない栽培法とも言えます。

国際的な規模で有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟) は、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。

オーガニックに求めるものは人によって違うかもしれませんが、だいたい「安全面」「健康面」「美味しさ」「自然環境」などが挙げられます。

有機栽培(オーガニック)と化学肥料栽培

栽培手段:自然由来のものを肥料にし、農薬を使わない有機栽培
有機栽培の目的:食の安全や、微生物や植物の生存環境(汚染のない水・大気・土)との共存
有機栽培の結果:味が美味しい、栄養価が高い
有機栽培(オーガニック)と化学肥料栽培は何が違うの?

 
まず肥料と堆肥がぜんぜん違います。
有機栽培(オーガニック)は昔ながらの自然由来の肥料と堆肥(米ぬか・油粕・草木灰・骨粉・鶏糞・牛糞など)が主に使用され、農薬は使いません。
対して、普通に大量生産されている農作物は、化学肥料を使い、必要に応じて規定範囲内で農薬も使います。
化学肥料は栽培に必要なチッソ・リン・カリを科学的に合成した肥料です。

土壌環境は私達の身体の腸内環境に似ている
 
よく土壌環境は私達の身体の腸内環境に似ているといわれます。
腸内には悪玉菌、善玉菌、日和見菌が住み着いて、腸内環境を作っています。
健康維持の源は腸内環境にあり、腸内環境が悪化すると病気になります。
私達の身体で例えるなら、有機栽培の肥料は毎日のご飯で、化学肥料はサプリメント、活性剤は点滴、農薬は薬というイメージです。
 
それと同じことが土の中でもおこっているのです。
つまり、腸内と同じように土壌環境がよくないと、病気がちになり、そのつど対処療法的な薬を使っても、土壌環境を改善しない限りはまた病気にかかります。

有機栽培(オーガニック) 健康的な野菜
 
有機肥料
有機肥料は、直接植物に作用するわけではなく、土壌微生物や細菌が喜ぶ食べ物なのです。
土壌微生物や細菌を増やすとそれらが植物を育ててくれます。
 
化学肥料
対して化学肥料は植物の生長にのみ作用し、土に対しては作用しないため土は肥えません。
土はあまり気にしくてただ野菜さえ育てば良い人、有機栽培の肥料や堆肥のにおいを気にする人には化学肥料は向いています。

有機肥料・化学肥料双方をミックスした栽培方法もあります。

有機栽培(オーガニック)の目的

有機栽培(オーガニック)の目的

誤解しがちですが、農薬・化学肥料を使わないで安全な食べ物を得ることが有機栽培の目的だと思いがちですが、ちょっと違います。

自然のままの健全な食物連鎖、つまり微生物が有機物を分解し、植物がそれを吸収して育ち、それを人間(動物)が食べる食物連鎖。
この自然のままの健全な植物連鎖が有機栽培(オーガニック)の目指すものです。
微生物や植物の生存環境を整えることは自然環境への配慮に繋がります。

自然のままの健全な食物連鎖

オーガニックの5つのルール

IFOAM(国際有機農業運動連盟)が掲げるルールはこちら

環境の保全

化学農薬や化学肥料を使わずに、水、土、大気を汚染から守る。
 

健康な生活

保存料や着色料などの添加物をできる限り低減し、食品の安全性を確保する。
また、化学的な染料や塗料を使用せず、アレルギーのない生活を目指す。

自然との共生

自然の動植物を守り、生物多様性を保全する。

身土不二

適地適作・地産地消で、地域の文化を大切にする。

健全な社会

児童労働の禁止、植民地栽培の排除、地域格差の解消など、人を大切にする社会を実現する。

オーガニックの5つのルール

オーガニックマーク

JAS規格

JAS規格平成11年に改正されたJAS法(農林物資の規格化等に関する法律)に基づき、有機農産物と有機農産物加工食品のJAS規格が定められ、そこで示されたルールを守って生産され、有機JASマークが付いた食品だけが、「有機」や「オーガニック」と表示できるようになりました。これが有機JAS制度です。
国産品も輸入品も、すべてが対象です。
輸入食品も有機JASマークなしで「有機」や「オーガニック」の表示、または紛らわしい表示(organicなど)をすることはできません。

有機農産物の場合
  • 堆肥などで土作りを行っている
  • 水耕栽培やロックウール栽培ではなく、土壌を用いた農業生産を基本とする
  • 環境への負荷をできる限り低減した生産方法
  • 種まき、または植え付けの前2年(多年生の場合は3年)以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない
  • 遺伝子組換え技術を使用しない
有機加工食品の場合
  • 物理的または生物の機能を利用した加工方法を用いる
  • 化学的に合成された食品添加物および薬剤の使用を避ける
  • 原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物・有機畜産物・有機加工食品であること
  • 遺伝子組換え技術を使用しない

有機栽培(オーガニック)の味

有機栽培(オーガニック)の味について

『JAS規格』
『化学肥料の栽培は不味い』

と、思いがちですが、実際は化学肥料を使っても美味しい野菜は作れます。
ただ、農業をしている場合は安定してできるだけたくさん、規格内の形の農作物を作らなければ、ビジネスとして成り立ちません。
趣味で家庭菜園をしているのならともかく、収益を上げるためには味を優先してないということだそうです。
有機だから美味しいというより、「栽培した人が上手に作ったから美味しい」
というのが正しいようです。

虫食いの野菜は・・・

先日るほどなぁと思うことを聞きました。
よく虫食いの野菜は「虫が食べるくらい美味しいんだ」という人がいますが、それは言い訳だというのです。
実際は「虫食いの野菜は不味い」のです。
野菜だって虫に食われれば、食われてるままでは枯れてしまいますので防除します。
例えばほうれん草。ほうれん草はシュウ酸を含んでいますが、虫に食われるとそのシュウ酸を多く作り、虫が嫌がる味になります。
なので、美味しい野菜を作るには虫に食われないような工夫をしなければいけません。
このように栽培する人の技術で味が変わるということで、「有機=美味しい」というのは必ずしもイコールではないのがわかります。

有機農産物の栄養価

有機農産物の栄養価について

有機栽培によるものは栄養価が高く、健康に良いとの報告がありますが、これは有機栽培を推奨している側の数値で、慣行農法を推奨する側の報告では慣行農法の方が栄養価が高かったという報告もあります。
有機だから栄養価があると思い込みがちですが、実はこの問題はまだ調査が必要なようです。
全てのオーガニックで比較分析したわけではなく、季節による違いなどあり、今後きちんとした分析を待ちたいと思います。
 

有機農産物の価格について

有機農産物の価格有機農産物は一般の野菜より2~3割高いように思います。
高い理由は農薬(特に除草剤)や化学肥料を使わないから、生産者の手間がかかっているからと考えがちですが、栽培時にマルチングしてしまえば草は生えないですし、マルチ張りはたいして手間はかかりません。
化学肥料を使うと楽に栽培できるのかというとそんなこともなく、やはり手間はかかってます。
では有機農産物はなぜ高いのか。

厳しい基準をクリアし、「有機JAS認定マーク」を得るには、年間10万〜20万円の費用がかかります。
有機栽培をしている小さな農家が有機栽培農家と名乗れない事情があります。
大手の認証農家の有機野菜しか流通していないので、当然値段が高くなっているというからくりなんだそうです。
有機栽培農家と名乗れない農家による「農薬を一切使っていないのにオーガニックと名乗れない野菜」があるというのです。
このオーガニック認証がもたらすややこしい事実です。

日本の構造的問題がある一方で、アメリカで認証された有機野菜や有機果物はオーガニックの表記が認められているため、海外から輸入オーガニックが増え、国産オーガニックは増えていないのが実情のようです。

オーガニックの安全性

肥料と農薬

実は肥料がなくても野菜は生長します。土壌中に含まれる土壌微生物が野菜を育てるのです。
なので、土壌微生物が住みやすい環境を整えるのが有機のやり方です。

土壌微生物とは、土壌中に生息する微生物の総称です。
内容的には、細菌、放線菌、糸状菌、藻類、原生動物、線虫など、一般的な畑では1ha当り生体重量約6tの土壌微生物が生息しています。

有機で使える農薬

農家も好んで農薬を使いたいわけではないですが、傷のない良い形の野菜ほど高い値段で取引できるためで、結局消費者がそうさせているところがあります。

一般的な栽培では、JAS(日本農林規格協会)が認定している31種類の農薬に関しては使用してもよいことになっています。
現在使用許可されている農薬は規定内で基準をきちんと守れば怖くないといわれています。

有機栽培(オーガニック)の場合は、肥料及び土壌改良資材を使用することとなっていますが、除虫菊乳剤及びピレトリン乳剤など使用しても良いものもあります。

有機肥料を使うことで生じる危険や問題

機肥料を使うことで生じる危険や問題
農薬の点では慣行栽培より有機栽培の方が安全というのはわかります。
けれども「有機肥料を大量に使うことで生じる危険や問題」もあるというのです。

有機肥料(堆肥)の原料となる家畜のフンや残飯には、サルモネラや病原性大腸菌O157など食中毒を起こす病原菌が含まれていることがあると指摘されています。
発酵が未熟な堆肥もまた、病原菌が堆肥の中に残ってしまうこともあります。

有機肥料でも化学肥料でも肥料を使えば農作物には硝酸性窒素が蓄積されることになります。
硝酸性窒素は摂取すぎると害になります。

オーガニックと遺伝子組み換え

有機やオーガニック表示の食品は、国内・国外ともに遺伝子組み換え技術や材料を使うことが禁止されています。
日本では遺伝子組み換え表示は義務化しておりますが、それがないアメリカでは遺伝子組み換えを避けて買いたければ、オーガニック表示のものを買えば良いということになります。

見落としがちな種の問題

欧米では、栽培に使用されるタネも有機認証の対象となっています。
種にもウイルス防止のためなどに農薬が使われていることがあります。
F1種という種があります。これは品種改良や遺伝子組み換えにより子孫を残せない種のことです。
子孫を残せないタネで作られた慣行農業の農作物が人間の生命に与える影響は、まだ未知の世界です。
このような不自然な種ではなく、子孫を残せる種での循環型の持続可能な農業が理想です。
にもかかわらず種子法が突然廃止になりました。
背景には民間企業、とくにモンサントのような外国企業の参入を積極的に進めようという思惑があるのではないでしょうか。

日本の有機栽培事情

日本においてですが、一般には化学肥料を使ってる栽培農家が大多数で、有機栽培の農家は全体の1パーセントくらいしか存在していないということです。
有機畜産はさらに少なく、その理由は輸入エサに頼っていることにあるのですが、遺伝子組み換えの餌が入ったり反対にオーガニックの餌を使ってる畜産農家はほとんどないようです。
人手不足が原因で、餌用の飼料まで手が回らないのが現状です。

有機栽培の野菜は家庭菜園向き

有機栽培の野菜は家庭菜園向き有機栽培農家がなかなか増えない事情がある一方、家庭菜園で楽しんでいる人は年々増加しています。
私も庭とプランターで小さなな家庭菜園を始めました。
有機栽培は堆肥を作ったり、ぼかし肥料を作ったりなかなか奥が深くてとても楽しいです。
化学肥料での栽培に慣れてる方は、有機栽培は手間のかけ方がまったく違うと感じると思います。
土をぬか床のように育てる感覚は有機栽培ならではでしょう。
有機栽培は土台をしっかり作る栽培法で、結果として健康な野菜ができると言えます。
健康的な育ち方をしますと、病害虫も結果的に少なくなると言われています。

有機栽培は、大規模な農業で難しくても、家庭での小規模な栽培ではやりやすいと思います。
小さなプランターでも有機栽培はできますので、まだやったことがない方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

私は土耕栽培の他、水耕栽培もしていますが、水耕栽培は有機栽培(オーガニック)ではありませんのでご注意を。
水耕栽培は無農薬でできますが、肥料は液肥でそれは化学肥料のくくりです。

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